クリエイティブ・コモンズと同人ノベルゲームの作り方

 All rights Reservedという言葉がある。よく小さい字で印刷してある「全ての著作権は著作者に帰属します」というやつだ。

 著作権というのは大切なもので、勝手にコピーされたりすると色々な人が困るので、法律的に細かい取り決めが必要となる。
 たとえば海法も小説書いて生きているので、テキスト部分だけでもコピーされてばらまかれたら困る(海法が困るだけじゃなくて、「本」という物を作るのに参加したみんな、編集や流通、本屋さんや、デザイナー、イラストレイターさん、校正さんも困る)。

 ので、大概、権利を主張する時には、それなりに細かい取り決めを作るわけだけど。

 全部が全部、そういうものでなくてもいい。

 海法も、例えばネットで短篇を書いて 「コピーはいいよ。でも著者の名前(海法)は書いておいてね」とか「商業利用以外だったらオーケーよ」とか「商業、編集、加工、派生作品も含めて、オールオッケーお任せよ」と言いたい場合がある。
 All rights reservedではなくて。
 Some rights reservedというわけだ。

 上のようなことを日本語で言えば簡単だけど、それを法律の言葉で言うと、大変面倒なことになる。
 具体的に言って短篇を書くたびに、いちいち「商業利用以外だったらオーケー」というのの契約文面を作ることになったら、それは面倒で仕方がない。

 そういうのを簡単に明示できるようにしよう、という運動の一つに「クリエイティブ・コモンズ」という運動がある。
 おおざっぱに意訳すると、「自由に使える創作の素材をみんなで公開しあって、幸せになろうよ」プロジェクトと言った感じです。

 アメリカのローレンス・レッシグさんが始めた運動で、このあたりから見ることができる。
http://creativecommons.org/
 法律の面倒なところを専門家が橋渡しして、「商業はNG」「コピーはOK」とかを、簡単なアイコンを選ぶだけで表明できるようにしよう、というのが目的である。
 法律なので、たとえば上記サイトはアメリカの法律に対応している。
 日本での運動は、こちら。
http://www.creativecommons.jp/

 さて、話は飛ぶが、flickrというサイトがある。
http://www.flickr.com
 こちらでは、膨大な写真が日々色々な人によってアップロードされていて、誰でも簡単に鑑賞することができる。
 海法も、最近のオンラインセッションで利用してる。
http://kaiho.at.webry.info/200609/article_5.html

 さて、海法が、昔、同人版「塵骸魔京」をサークルで作っていた時、資料写真が欲しかったのだが、なかなか「二次使用OK」な写真というのは、探しにくかった。
 ノベルゲームの背景素材としても、このflickrは、非常に使えると思う。が、もちろん勝手に素材を使うのはNGだ。

 でも。楽しいことに、このflickrでも、「クリエイティブ・コモンズ」を表明することができる。
http://www.flickr.com/creativecommons/
 おおざっぱに説明すると。
Attribution:クレジットを入れる限り、コピーおよび派生作品(例えばノベルゲーム内での素材)としての使用OKよ。
Non Comercial:商用利用はダメよ。
No Deliverative Works:派生作品はダメよ。
Share Alike:同じ条件で配布してね。

という感じ。

 つまりAttributionマークのついている写真の中からなら、ノベルゲーム素材としても使ってOK!ということになる。
 Non Comercial、Attributionなら、非商用目的でならOKということ。

 もちろん使うのは自己責任で。他人に迷惑をかけないように、というのは言うまでもない。
 そして、作った作品にも、クリエイティブ・コモンズのマークを作って配布すると、みんなハッピーになれるかな、と。